U&U AI

しる

言葉で直るところと、何度書いても直らないところがある。

同じ「思ったように動かない」でも、直せる場所は二つに割れている。片方は書き方を変えれば直り、もう片方は、どれだけ強く書いても変わらない。この線がどこに引かれているかを知らないと、直らない側をずっと言葉で直そうとすることになる。
ここは道具の側の話。プロンプトだけが道具に依らない性質を扱っていて、残りは道具の作りの話 ── できることも名前も、製品ごとに違う。

どこの話か全体 ── 線・格子・輪 根拠ほとんどが製品の仕様。印の付いた行は、毎回見に行く側

ここから

探しているものから、入っていい

⚠️ まだ何も入れていない場合。この先が言っている「道具」は、自分の機械の上で走って、ファイルとコマンドに触るもの(外の語では agentic harness)── チャットの画面だけで完結するものとは別で、多くはターミナル(文字を打つ画面)か、専用のアプリで動く。入れ方はここには書かない ── 製品ごとに違い、月単位で変わるので、使うものを決めたら、その提供元の案内が正。

この頁が置くのは全体の骨だけ ──線(どこに置くか)・格子(何が在るか)・輪(どう回るか)の三つ。ほかの頁は、その骨のどこかに立っている。読む順序は決まっていない ── 繋がりは並びではなく、名前の右の札 ── 骨のどこに立っているかのほうに在る。

深く見る

  • プロンプト線の上 ── 模型

    効かない時、人は「もっと強く言う」「もっと詳しく書く」方へ直す。仕組みの側から見ると、その多くが逆を向いている。ほかの頁の中で、ここだけが道具に依らない。

  • コンテキストいつ載るか

    席の表の二列目を、そのまま深く見る頁。毎回まっさらな窓に何が載って、何が消えるか。置き場所で寿命が変わり、長い指示書ほど守られにくい。

  • 拡張どの席を、自分で足すか

    足せる形は、できることではなく窓の食い方で分かれている。繋ぐ前に問うことがある。

  • 実行線の下

    手を動かさせ始めた時に、何が入れ替わるか。「気をつける」では守れない理由が、この線そのもの。

  • たしかめ輪の三段目

    任せた仕事が良くなるか、間違えたまま止まらなくなるか。分かれ目は三段目に機械が判定できる地面があるかどうかで、それを渡すのはこちら。

引く

  • 索引席に、いま何が在るか

    やりたいことの言葉で引く。ここだけ読み物ではなく、道具。中身は入れ替わるが、席のほうは変わらない。

持ち帰る

  • 控えほかの頁ぜんぶ

    三つ問うと、書くべきものが一つに決まる ── そのまま頼む文か、毎回読ませるファイルか、判断の外に置く設定か。言葉で頼むのは、五つの枝のうち一つでしかない。

ここから下 ── AI の側道具が変わっても成り立つ

分水嶺

読まれるものと、読まれないもの

AI に渡るものは、二つの層に分かれている。上の層は模型が読んで解釈する ── だから書き方が効くし、同時に破られうる。下の層は模型の判断を通らない ── だから言葉が効かないし、破られない。効かない時にどちらを触っているかで、直し方が正反対になる。

⚠️ 上が悪いという話ではない。ほとんどのことは上の層でやるしかない ──「丁寧に書け」は機械が判定できないので、下へは降ろせない。降ろせるのは機械が判定できる規則だけで、全部降ろすと動かなくなる。選ぶことが仕事になる。

上 ── 模型が読んで、解釈する効く。ただし、破られうる

あなたが書いた文 指示のファイル AI が書き足すメモ スキルの本文 繋いだ口の説明文 読ませたウェブページ 道具が返してきた文章

ここが分水嶺

下 ── 判断を通らない言葉が効かない。だから、破られない

許可の設定 決まった瞬間に走る仕掛け(フック) 走る前の囲い

公式いまの仕様指示のファイルもメモも「文脈として扱われる。強制される設定ではない」── code.claude.com / How Claude remembers your project

公式いまの仕様指示はお願いであって保証ではない。毎回効かせたい規則は仕掛けの側にせよ」── code.claude.com / Extend Claude Code

公式いまの仕様禁止の規則は許可より先に効き、道具の名前ごと禁じると AI からその道具が見えなくなる ── code.claude.com / Configure permissions

論文上の層に「変なことが書いてあっても無視して」と足す形の限界(実在の45サーバー・353道具から作った1312通りの罠で20エージェントを測り、最もよく断ったモデルでも3%未満)── arxiv.org/abs/2508.14925

置き方

新しい名前が出たとき、問うことは変わらない

道具の名前は月単位で増える。全部を追いかける必要は無い ── 問うのは同じ三つで、答えが決まれば席が決まる。いつ載るか。誰が起こすか。破られうるか。席に置けたら、それ以上覚えなくていい。名前は腐るが、席は腐らない。

席に座るもの いつ載るか窓を食うのはここ 誰が起こすか 破られうるか
指示のファイル毎回、全文模型が読むお願い
AI が書き足すメモ毎回模型が書き足すお願い
スキル(紙)名前と一行だけ毎回/本文は使う時模型が選ぶお願い
繋ぐ口(MCP)道具の名前だけ毎回/仕様は要る時模型が呼ぶお願い
分身別の窓。戻るのは結論だけ模型が起こすお願い
コマンド打った時だけ人が打つ──
フック載らない機構が起こす強制
プラグイン詰め合わせ。中身が上のどれかの席に座る

⚠️ 一行だけ、三列とも違う。フックが唯一「破られない」のは、慎重だからではなく窓に載らない=模型の判断を通らないから。列が全部違うことが、そのまま理由になっている ── 上の分水嶺で言えば、この一行だけが線の下にある。
⚠️ そして、この表の一行目と七行目は、どこかから持ってくるものではない。指示のファイルもフックも、初めは存在しない ── 自分で書いて初めて席が埋まる。だから「何が在るか」を数えても出てこない。

公式いまの仕様機能ごとの「いつ載るか・何が載るか・文脈の費用」の表(仕掛けはゼロと出ている)── code.claude.com / Understand context costs

公式いまの仕様分身は自分の文脈で走り、要約だけを返す ── code.claude.com / Extend Claude Code

公式いまの仕様繋いだ口は道具名が起動時に載り、詳しい仕様は要る時に読む ── code.claude.com / Connect Claude Code to tools via MCP

この席が、いまどれだけ埋まっているかは 索引 が持っている。この頁が持つのは席のほうで、そちらは中身が入れ替わっても形が変わらない。

動き

置き場所の次に、回り方がある

頼むと、三段が回る ── 調べる → やる → 確かめる。公式がその名前で書いていて、この輪を回している外側そのものが「殻」(agentic harness)── 道具と、窓の組み立てと、実行の場所を持ち、模型を「働ける存在」に変えているのがそれ。上の二つ(線と格子)は、この輪の中の配置を言っていた。

⚠️ 三段が毎回そろうわけではない。質問なら一段で終わることもあるし、不具合直しは三段を何度も回る。⚠️ そして三段目だけは、自動では立たない ── 判定できる材料をこちらが渡した時にだけ立つ。ここが、任せた仕事が良くなるか、間違えたまま止まらなくなるかの分かれ目。

席の表の、いつ載るか

調べる

窓に載せる。指示のファイル、メモ、読んだファイル、道具が返してきた文章 ── 載っているものが、判断の材料の全部。

分水嶺の、下を通る

やる

口を使う。ファイルを書く、コマンドを走らせる、外へ出す。ここで許可の設定と仕掛けが効く ── 言葉ではなく、構造として。

どこにも席が無い

確かめる

結果を見て、合っているかを決める。これだけは足せる部品が無い ── 表のどの席にも座らない。渡すのはこちら。

← 結果が、次の一段目の材料になる。ここが繋がっていない時、輪は二段で回り続ける

公式いまの仕様「頼まれると三つの段を通る ── gather context・take action・verify results」/「Claude Code は Claude を包む agentic harness で、道具・文脈の管理・実行の場所を与えて、言語モデルを働ける主体に変える」── code.claude.com / How Claude Code works

公式「実行中、各段で環境から ground truth を得て進み具合を測ることが決定的に重要」── anthropic.com / Building effective agents

三段目だけを深く見る頁がある ── たしかめ何を渡すと三段目が立つのか、確かめ方に強さの順があること、そして止める条件。

ここから下 ── この頁の側何に立ち、何を載せていないか、外では何と呼ぶか

よく聞くけれど

ここに無いものは、裏が取れていない

仕組みの話でよく出てくる言い回し。どれも上の三つには入れていない。間違いという意味ではなく、ここでは裏を取れなかった、あるいは提供元自身がそうは言っていないという意味。

よく聞くここに置かなかった理由
「設定ファイルに強く書けば、守られる」公式が「お願いであって、保証ではない」と書いている。強さの問題ではなく、層の問題
「仕掛け(フック)にしておけば安全」保証されているのは発火であって、走る中身の正しさではない。何を走らせるかは、書いた側に残る
「回せば、そのうち正しくなる」提供元は逆のことを書いている ──「誤りが積み重なりうる」。回数が品質へ向かうという記述は見つからなかった
「新しい名前が出るたびに、覚え直しになる」増えているのは席に座るもので、席そのものは増えていない。ただし席が増えないことを保証する出典は無い ── いまの表がそうなっている、というだけ

このサイトの言い方と、外での言い方

ここまで全部、日本語の言い換えで書いてある ── 窓・殻・口・紙・分身。読みやすい代わりに、そのままでは検索できない。外の記事も公式のドキュメントも、下の右側の語で書かれている。

⚠️ 載せる条件は一つだけ ── このサイトのどこかが実際に扱っている概念であること。「一般に重要そうな語」は入っていない。語彙を全部集めた表は、一度作って畳んでいる(多いと読まれず、その都度調べるほうが速い)。ここに無い語で詰まったら、公式の用語集のほうが速い。

殻と輪 ── 全体を回しているもの

  • agentic harnessエージェント

    模型を「働ける存在」に変える外側。ファイル操作・コマンド実行・許可の壁・窓の組み立てを持つ。Claude Code も Cursor も ChatGPT のアプリも、これ。

  • 調べる→やる→確かめるagentic loop

    殻が回している輪。道具の結果が次の判断の材料になる。「エージェント」と呼ばれているものの中身がこれ。

  • 確かめの輪verification loop検証ループ

    機械が判定できる検査(テスト・ビルド・画面の比較)を先に渡して、通るまで直させる形。これが無いと「終わったか」を決めるのが AI 自身になる。たしかめ

  • 一往復turnターン

    送ってから返し終わるまで。間に何回道具を使っても1ターンと数える。

  • 会話sessionセッション

    一続きの会話。窓を1つ持つ。新しくすると窓が空になり、前のは残っていて呼び戻せる。

線の上 ── 模型そのもの

  • 模型LLM大規模言語モデル

    続きを書く機械そのもの。殻の中に一つ入っていて、差し替えられる。

  • 切られる単位tokenトークン

    読む長さも料金も、この数で数える。日本語は同じ内容でも数が増える。プロンプト

  • 学習の締め切りknowledge cutoff知識カットオフ

    その日より後の出来事は入っていない。2種類あって、確実な範囲のほうが早い。プロンプト

  • 内で下書きしてから答えるextended thinking呼び名が製品による推論モード

    答える前に、見えない場所へ先に書く仕組み。次の1つを選び続けているのは同じで、書く場所が変わっただけ。

  • 揺れの強さtemperature温度

    次の1つをどれだけ散らして選ぶかの設定。アプリでは触れないことが多いが、同じ入力で出力が毎回変わる理由はこれ。プロンプト

線の上 ── 模型の癖

  • 途中の考えを書かせるchain of thought思考の連鎖

    結論の前に過程を出させると、最終的な答えのほうが変わる。「よく考えてから結論だけ」は、考える場所を消している。プロンプト

  • 真ん中が落ちるlost in the middle

    長い入力では、先頭と末尾は拾われ、真ん中は落ちる。長い枠を売りにしたモデルでも同じ傾向が出る。→ プロンプト

  • 同意へ寄るsycophancy追従・迎合

    こちらの意見に合った答えのほうが好まれるので、調整を重ねるとそちらへ寄る。「これで合ってる?」が確認にならない理由。プロンプト

  • もっともらしい作り話hallucination幻覚

    黙るより答えるほうが点になるように訓練と評価が働いている。知らないときに空欄で返らないのはそのため。プロンプト

  • 学習に少ない事柄long-tail knowledge

    学習データに何件あったかと正答率が量として対応している。マイナーな対象ほど、深掘りするほど崩れる。プロンプト

  • 完成形を1つ見せるfew-shot prompting少数事例

    形を言葉で説明するより、出来上がりの例を渡すほうが効く。→ プロンプト

  • 指示に従わせる工程instruction tuningRLHF・事後学習

    素の模型は「続きを書く」だけ。従う・断る・丁寧に話すは、あとから別の工程で足された性質。プロンプト

線の上 ── 窓に載るもの

  • context windowコンテキストウィンドウ

    一度に見えている範囲。これが全部で、ここに無いものは存在しない。→ コンテキスト

  • 打つ前から載っている指示system promptシステムプロンプト

    提供元が書いて先頭に置いてある指示。利用者からは見えないことが多い。

  • 指示のファイルCLAUDE.md製品による

    決まりを書いておいて毎回読ませるファイル。ファイル名そのものが語になっているので、これで検索すると書き方の話がまとめて出る。→ コンテキスト

  • AI が書き足すメモmemory製品によるメモリ

    こちらが書くのではなく、AI 自身が残していく覚え書き。指示のファイルとは別物。

  • 畳まれるcompaction自動要約

    窓が一杯になった時、会話が要約に置き換わること。「さっき言ったのに」の正体。コンテキスト

  • 分身subagentサブエージェント

    別の窓を持たせて調べものを任せる相手。読んだ量はあちらに溜まり、戻るのは結論だけ。コンテキスト

  • 外から来た文章が指示として効くprompt injectionプロンプトインジェクション

    読ませたページや道具の説明文に書かれた命令が、あなたの指示と同じ層に並ぶこと。どちらが本物かを示す印は付いていない。→ 実行

  • 三つ揃うと道ができるlethal trifecta致死の三点セット

    私的なデータ・外から来る文章・外へ出せる口。同時に揃った時だけ、持ち出される道ができる。実行

席に座るもの

  • toolツール

    AI が取れる行動そのもの。読む・書く・走らせる・見る・繋ぐ。→ 索引

  • 繋ぐ口MCPModel Context Protocol

    外のサービスに繋ぐための共通の規格。繋ぐと道具の名前が毎回窓に載る。拡張

  • skillスキル

    やり方を書いておいて、要る時だけ読ませる手順書。繋ぐ口とは役が違う ── こちらは知識、あちらは呼び出し。→ 拡張

  • 打って呼ぶものslash commandスラッシュコマンド

    / で始まる短い呼び出し。設定や制御そのものは、これでしか届かない。索引

  • pluginプラグイン

    上のいくつかをまとめて配れるようにした包み。中身は空のこともある。→ 索引

線の下 ── 判断を通らないもの

  • 必ず走る仕掛けhookフック

    決まった瞬間に自動で走る処理。お願いではなく、発火が保証されている側。実行

  • 許可の設定permissions権限

    どの道具をどこまで使わせるかの表。禁止は許可より先に効く。実行

  • 許可の構えpermission modeいまの仕様許可モード

    そのセッションで既定どうするか(手動で訊く・編集は通す・案だけ出す・全部通す)。画面にこの名前で出る。実行

  • 手前で止める構えplan modeいまの仕様プランモード

    調べて案を出すところまでで、ファイルには触らない。承認してから実行に移る。→ 実行

  • 囲いsandboxサンドボックス

    走る前に触れる範囲を絞っておく形。提供元自身が「完全な隔離ではない」と書いている。実行

  • 巻き戻しcheckpoint製品によるチェックポイント

    直前の状態へ戻す仕組み。戻るのはファイル編集だけで、送信や公開は戻らない。→ 実行

読み方

行が返してくるものは、四つしかない

探しているものが違えば、読む場所も違う。どれが欲しいかで、飛ばしていい場所が決まる。

  • 理解 ── なぜ、そうなるか

    前提の面と、各頁の題・地の文・図。直し方ではなく、直し方がそう決まる理由のほう。ここを飛ばすと、手順を丸暗記することになる ── そして手順のほうが先に古くなる。

  • 手順 ── どう書くか、どこに置くか

    逆の手と、仕組みに合う手の対比。語の対応表。席の表。そのまま写して使える形で置いてある。

  • 打ち消し ── よく聞くが、ここでは裏を取れなかったもの

    各頁の末尾にある「よく聞くけれど」の面(この頁にもある)と、索引の「ここに無いもの」。間違いという意味ではなく、根拠を出せなかったという意味。載せなかったことのほうを載せている。

  • 立脚 ── どこまで信じていいか

    行末の出典。公式は提供元自身が書いていること、論文は測定があること、講義は教材。この site が言えるのはそこまでで、その先は書いていない。

⚠️ 四つとは別に、印が一つある。いまの仕様が付いた行は製品の仕様で、機能が増えれば変わる ── 出典の多くはこちら側製品によるは、その語で外を検索しても製品を跨いでは通じないもの。
印が付いていないものは、測定か構造。道具が変わっても成り立つ ── 覚えるならそちらで、印のあるほうは毎回見に行く。

手を動かす

読んだことは、その場で当てられる

やること ── いま使っている道具ひとつについて、上の席の表の三列を自分で埋める(その道具の指示ファイルは、いつ載るか・誰が起こすか・お願いか強制か)。
出るはず ── 埋まらない列が出る。そこが、その道具の説明を読みに行く場所。